(現在、エルサルバドル・ニカラグアから北上してとにかくアメリカに入りたいとキャラバンを続けている人たちもいるのだ。バイデン大統領は大目に見てくれるという儚い希望を持って彼女たちは貧困国から脱しようと命を賭ける。しかし、彼女たちを食い物にするコヨーテどもが待ち受けている。こうしたアンダーグラウンドのどん底を見つめて欲しい)
メキシコからアメリカに密入国するというのは、単に車で国境を越えるというような単純なものではない。
列車の屋根に乗って移動し、ブッシュ(藪)を掻き分けて匍匐し、沼を渡り、密入国斡旋業者の運転するトラックの後ろで激しく揺られる。
鉄条網の柵を越え、飢えと渇きに苦しみ、噛まれたら助からない危険なガラガラ蛇から逃れ、体力の限界まで荒涼とした大地を歩き続ける必要がある。
アメリカの国境警備隊の監視もあり、何日も砂漠に釘付けにされることもある。実際、死んでいく者もいるし、捨てられる者もいる。
メキシコとアメリカの国境に広がる広大な砂漠に捨てられると、まずは助からないと言われている。密入国というのは、生きるか死ぬかの危険なサバイバルなのである。
それでもメキシコ人だけでなく、中南米の貧困層の多くはアメリカを目指す。それだけ貧困が絶望的なのである。アメリカは豊かな国であり、いったんそこに潜り込んだら将来が開けるかもしれない。
女性も子供も家族連れも、みんな密入国をする。そんな女性たちが密入国をするのに「必須の薬」があるという。それは何だか分かるだろうか?