閲覧注意
少数民族と言えば数千だとか数万人規模の民族を私たちは思い浮かべるのだが、「少数民族」としてカテゴライズされているクルド人は人口約2800万人である。
厳密な人口統計が取られているわけではないのであくまでも2800万人という数字も推定でしかない。3000万人あたりではないかという説もある。いずれにしても、それくらいの人口がある。
そのため、クルド人は「国を持たない世界最大の少数民族」と言われている。
これだけの人口があって少数民族と言われるのは、彼らが国を持てなかったからでもある。彼らの住んでいるのは、トルコ・イラン・イラク・シリアの広大な範囲なのだが、彼らが独立して国を持つとしたら、これらの国の一部が彼らの土地になるということだ。どこの国もそれを認めなかった。
しかし、クルド人も独立は悲願であり、そのためトルコでもイラクでもしばしば分離独立運動を起こしては、現地政府と衝突し大きな軋轢を生み出している。
2014年以後、シリア・イラク一帯にISIS(イスラム国)が中東を大殺戮の地(キリング・フィールド)にすると、このクルド人もまたISISの殺戮の対象になっていった。多くのクルド人がISISとの戦争に向かっていったのだが、戦争は彼女たちも容赦なく破壊していった。
ただ殺されるだけでなく、殺されて遺体をも蹂躙されたのだ。