結婚というシステムはすでに瓦解しているようなものだと私は思っているのだが、それでも結婚したいと考えている男女はとても多くて、婚活市場が今や巨大なビジネスとなっている。
「婚活」というのは「結婚に向けた活動」を手短に言った言葉だが、婚活は恋愛とはまた違ったカテゴリで捉えられているのが興味深い。
若い頃は何もしなくても同年代の相手が次々と寄ってくるので、その中の誰かと恋愛して気に入って結婚すれば「恋愛結婚」になる。この若い頃の恋愛は、たとえ結婚を意識していても「婚活」とは言わない。
婚活というのは30代に入った男女が、なかなか相手が見つからなくなってから、気合いを入れて結婚相手を探すことを指すことが多い。
現代社会では無我夢中で仕事に打ち込んで、やっと結婚を考えられる年齢は30代前半になっている。だから、厚生労働省の『人口動態統計』でも初婚は男性31.1歳、女性29.4歳になっている。
ところで、30歳前後あるいは30代以後の女性は、それまで順風満帆に生きていた女性ばかりではない。中には水商売や売春や風俗の世界で生きていた女性たちも混じっている。