あなたは終着駅に立ったとき、物悲しい気持ちになることはないだろうか。
私は、新興国や途上国の終着駅にじっとたたずんでいると、とても不安な気持ちになることがある。どこか、自分の「よりどころ」を失った感じだ。
終着駅はとても喧噪に溢れて賑やかな場所なのに、同時に何か追い詰められるように胸が締め付けられる。
大きなドーム型の天井。行き交う人々……。
待合の固いイスに座っていると、やはり大きな荷物を持って不安げな顔を隠そうともしない家族がいるのが見える。
地べたに座り込んで、緊張している女性もいる。疲れ果てて寝ている子供たち、一心不乱に何かを考えている母親。
貧しい国の終着駅は、莫大な人に溢れているのに、ひとりひとりを見ると、孤独感が滲み出ている。
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