風俗に堕ちている女たちは仕事柄いろんな男に会うことになるのだが、哀しい男の話を聞くこともある。ある人妻風俗に勤める女性が、妻子のいる30代後半の男の話をしてくれたことがあった。
彼女はこの妻子持ちの男にごく普通の性サービスを行ったのだが、男はすっかりのめり込んでしまって、その後、2週間に一度必ず来るようになって、時間もどんどんロングになっていった。
そのうちに、この男は「待ちきれない。もっと会いたい」と言い出して、1週間に1回ロングで入るようになっていったと彼女は述懐した。彼女の店を利用すると、1回でホテル代込みで大体3万5000円。それを月に4回も行ったら約14万円にもなる。
普通のサラリーマンが一ヶ月に風俗で14万円以上も注ぎ込むというのは、かなりの出費のはずだ。この男はエリートサラリーマンでも何でもない。ごく普通の会社に勤める30代後半の男である。
給料がいくらで家賃がいくらのところに暮らしているのか分からないが、家計は火の車だっただろう。そのうち、男は「これだけ好きなのだから、店を通さないで会ってくれ」「プライベートで付き合ってくれ」と言い出すようになった。
彼女がそれを断ると、「妻に風俗通いがバレた。もう離婚だ。離婚した後は一緒になってくれ」と言い出し始めて、彼女は恐ろしくなってこの男を切った。そして、男は家庭も、カネも、嬢もすべて失った。そういう男がいるのだという話だった。