キューバの英雄であったフィデル・カストロが2016年11月25日に90歳で死亡している。キューバの国民は哀しみ、社会主義を嫌ってキューバを脱出した人々はフロリダで祝っている。
学生時代は野球に熱中したスポーツ選手、その後は貧困者のために尽力した弁護士、そして政治家、共産革命家、キューバ革命の後は国家最高指導者として1959年からずっとキューバと共にあった人物だった。
フィデル・カストロは独裁者であったが、自分を美化させて自分と一族だけが贅沢三昧するような人間ではなく、どちらかと言えば清廉潔白なイメージを抱かせる希有な独裁者であった。
だからというべきか、フィデル・カストロの統治は1959年から2011年と長きに渡るものとなっている。それは、キューバにとっては良いことだったのか悪いことだったのか、評価が割れる。
確かに政治的安定を成し遂げたのはキューバ国民にとって幸せなことではあったが、カストロ議長が信奉していた「社会主義」によってキューバは経済的停滞を余儀なくされ、貧困が35年も続く時代と化した。
結局、国民はまともに食えないので、キューバ女性は観光客相手に売春ビジネスで金を稼ぐ構図となっている。キューバは社会主義を取り入れたことで時代に取り残され、セックス植民地と化したのだ。