歴史

◆ポルポト政権誕生までの政治状況06 – 粛清のDNA

ほとんどの政党や政治家はシハヌークの掌(てのひら)で踊らされることになるが、いく人かはそんなシハヌークの策略に乗らなかった。シハヌークの権力欲に劣らないほど強欲で腹黒い意思を持つポル・ポトもまたそんな一人であった。
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◆ポルポト政権誕生までの政治状況05 – ジュネーブ協定

ところで、1954年はシハヌーク国王によってカンボジアに新しい歴史が書き換えられていた。ジュネーブ協定で、カンボジアはフランスから完全独立を果たしたのである。シハヌークによる粘り強い交渉の勝利だった。長らくフランスに支配されていたカンボジア...
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◆ポルポト政権誕生までの政治状況04 – サロト・ソーの時代

カンボジアのちょうど真中にはまるで海と見間違うような巨大な湖がある。トレンサップ湖である。コンポントム州はこの豊穣なトレンサップ湖を一部取りこんだ豊かな州だ。1925年、ここにポル・ポトは生まれている。サロト・ソーというのが彼の本名だった。...
歴史

◆ポルポト政権誕生までの政治状況03 – 時代を泳いでいたポル・ポト

1975年に政権を取って自国民を大量虐殺し、1979年に政権が倒れた後にもカンボジアの密林の中からその後の政治に多大な影響を与え続けたポルポト派とはいったい何者なのだろうか。ポルポト派は共産主義を標榜し、中国の文化革命をさらに先鋭化させた政...
歴史

◆ポルポト政権誕生までの政治状況02 – 地獄の黙示録

1975年4月17日、プノンペンを陥落させたポルポト派は、その後鎖国政策を取り、カンボジア国内を秘密のベールで覆ってしまった。唯一、ポルポト政権閣僚と密接な交流のあったのは中国であったが、その中国(具体的には、毛沢東や周恩来)でさえ、カンボ...
歴史

◆ポルポト政権誕生までの政治状況01 – セキュリティ21の囚人408号

カンボジア・プノンペン。街の中心である中央市場(プサー・トメイ)から車で15分ほど行ったところに、かつて、「マンゴーの木リセ(高等学校)」と呼ばれていた場所がある。1999年を初めにして、何度かここを訪ねてみたことがある。錆びた鉄扉は開放さ...
ブラックアジア書籍

裸になった女性の下半部に、何かが蠢(うごめ)いている

売春地帯。「女の地獄」の生々しい現実は、覆い隠される。多くの男たちはそこに利用価値を見出しているので、誰もが見て見ぬ振りをしている。それは地獄ではないと心から信じている男もいるが、女の選択権を奪っているのだから、支配者側に立っている人間の思...
ブラックアジア書籍

◆ティアスの涙。女たちはいかにして骨の髄まで搾取されるか

インドネシア領バタム島ナゴヤの真夜中の向こう側、妖しく灯(とも)るダークサイドをくぐり、退廃の世界に入る。入り口に立つインドネシアの男たちの鋭い目は闇の中では肉食動物のようだ。そこはインドネシア全土から集められた若い女性たちの「肉体市場」、...
ブラックアジア書籍

◆リリス。お人形のような彼女の血の中に流れているもの

インドネシア領バタム島も緑は多かったが、ビンタン島の緑はバタムよりもはるかに濃いように見えたのは気のせいかもしれない。激しい雨音で目が覚めて、カーテンを開けると窓から見える外の緑が雨に打たれて揺れていた。リアウ諸島はよく雨が降る。さすがに熱...
インド

◆ヒジュラ。闇の中で目をギラギラさせて立っている性転換者

インド編タイにはレディーボーイがいるのと同様に、インドにもヒジュラと呼ばれる性転換者がいる。コルカタの売春地帯ソナガシでも、ムンバイの売春地帯フォークランド・ストリートでも、このヒジュラの集団には手を焼いた。ふらふらと歩いていると、集団で囲...