ちょうど一年ほど前のことになるが、昼職に病院の受付事務の仕事をしている風俗嬢と話をしたことがある。このとき彼女は30歳だったが、35歳までには結婚すると心に決めていると私に何気なく話してくれた。
しかし、風俗に来る男とは結婚するつもりはなくて、「真面目でお金を持っている正社員の男」が彼女の望みだった。
今まで付き合った男は何人かいるが、ある欠点があって結婚する相手ではなかったと彼女は話した。「ぶっちゃけ、お金がない男は眼中にない」と彼女は本音を言って笑った。
「お金って大切だからね」
彼女からは「愛している相手と結婚したい」とか「好きな相手と一緒になりたい」というラブ・ソングのようなセリフは一度もなかった。彼女は現実を見ていたのだ。
別に彼女は「金の亡者」というほど金にこだわっているようには見えないのだが、それでも金が重要だというのは強く意識しているのは明白だった。
「風俗で遊ぶ男は金を持っているんだから、気に入った客と結婚するのは駄目なの?」と尋ねると、「遊んでいる男は今は金があっても遊びで使い果たすからダメ」というような内容を彼女は言った。
彼女は結婚相手を見つけるだろうか。恐らく見つける。彼女は相手を何とか見つけ出すだろう。しかし、彼女のように狙った男を見つめて結婚できる女性ばかりではないのは確かだ。