「ガネーシャ」という神を知っているだろうか。
胴体は人間なのだが顔は象になっている、あの奇妙でインパクトのある神だ。
ヒンドゥー教の神話に出てくる神のひとりなのだが、あまりにも特異な容姿のために、インドで広く信仰されているシヴァやパールバティよりも国外で知られている。
最近、インドで「ガネーシャは古代インドで移植手術が行われていた証拠である」と主張する人物が現れ、学者たちにその証拠を見つけよと命令している。
ガネーシャ自身が荒唐無稽な想像上の産物だ。そんなことはガネーシャの「ありえない容姿」を見れば分かるはずだ。
しかし、それを実話と思い込み、さらに移植手術まで行われていたと考えるのだから、その無知蒙昧さと常識のなさに呆れてしまう。
ところで、誰がそんなことを言っているのか。それを言った人物は、インドの元首相ナレンドラ・モディ氏である。モディ首相はヒンドゥー原理主義者であり、心の底からヒンドゥー教を信奉している。
だから、ガネーシャですらも「実在していた」と思い込めるのである。