インド独立の父マハトマ・ガンジーは、1948年1月30日に暗殺されている。2018年の今年で、ちょうど70年になる。
国家独立と言えば、強大な軍隊を率いて多くの血と暴力によって勝ち取るケースが多いのだが、ガンジーのやり方はまるっきり逆だった。非暴力を貫いて独立運動をしたのである。
軍隊を持たないガンジーは、何を武器にしてインドの民衆をまとめあげたのか。そして、何を武器にして宗主国(マスターカントリー)であるイギリスに対抗したのか。
マハトマ・ガンジーは稀に見る人格者だった。他人には強制しなかったが、自らには非所有、禁欲、断食、清貧、純潔で縛り、さらに非暴力をも貫いた。
こうした強烈な人格者としての生き様は人々に感銘を与え、そして多くの賛同者を呼び寄せることになったのが、こうした人々をまとめ上げたのはガンジーの言葉と説得力である。
ガンジーの独立運動は「非暴力・不服従」が徹底されていたのだが、それはガンジー自身がそうしていただけでなく、ガンジー自らが信念を持ってそれを人々に説いて納得させ、大きなうねりにしていた。
ガンジーは、言葉による主張を通して祖国インドを独立に導いたのである。(鈴木傾城)