◆ジンバブエのセックスワーカーが恐れる「制服を着たチンピラ」と現場の荒廃

◆ジンバブエのセックスワーカーが恐れる「制服を着たチンピラ」と現場の荒廃

日本では警察官は曲がりなりにも「正義の味方」であるが、日本から一歩出るとそれがそうではなくなってしまうことが往々にしてある。特に途上国では、警察官というのは「制服を着たチンピラ」扱いされていることもある。

ムガベ独裁や超ハイパーインフレで有名なアフリカのジンバブエもまた、警察官は同様だった。

2023年2月1日。ジンバブエ女性議会幹部会にて、何人かの匿名セックスワーカーが「警察官が無料のセックスを要求するのが現場で恒常化している」と懸念を述べたことで警察官の腐敗が表に出た。

警察官が彼女たちの待機場を襲撃し、「タダでセックスを与えるか、それとも逮捕されるかのどちらかを選べ」と強要し、多くのセックスワーカーたちが警察官に無料で性行為をさせられているというのである。

彼女たちには選択肢はない。警察官にワイロを払ったりするような金もないので、ほとんどのセックスワーカーは警察官に無料で性行為を提供するしかない。ストリートに立って客が取れなかった場合、彼女たちは警察官に無料で性行為されるだけで一日が終わってしまう。

別のセックスワーカーは、警察官による「タダの性行為」への執拗な要求を激しく非難し、「一晩で3人の警官が近づくこともある」と述べた。こうした状況が恒常的に続いており、それがジンバブエの広範囲で起きていると彼女たちは糾弾した。

日本でも、取り調べや調査の対象となる女性に性行為を強要した警察官が逮捕されるような事件があったりするのだが、ジンバブエではこういうのが公然と行われており、警察官の腐敗が社会に暗い影を落としている。

荒廃した社会ではモラルも低下する。ジンバブエではムガベ独裁下において経済が崩壊してしまったのだが、経済崩壊がもたらすのは貧困だけでなくモラルの低下も深刻だというのが分かる。

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