SNSで相談した相手の家に転がり込んだら598回も売春をさせられて、稼いだ金をすべて搾取された女性は子供を抱えたまま、家賃も払えなくなっていたシングルマザーであった。(ブラックアジア:極悪夫婦に598回に渡って売春を強制されていた女性はなぜ逃げなかったのか?)
彼女は「もう、どうしていいのか分からない」ところで、このようなことになってしまった。598回も売春をさせられた彼女はシングルマザーの苦境の極端な例でもあるが、彼女のようにならなくても孤立無援で苦しんでいる女性は多い。
日本では、シングルマザーはその半数以上が相対的貧困に追い込まれているのだ。約123万2000世帯の半数である61万6000人が貧困なのである。これは決して少ない数字ではない。
2022年は、まだ社会にオミクロンの悪影響が残っている上に、物価上昇が鮮明化している。ここにウクライナ危機も重なっており、円安の進行もあって、これから危険なリセッション(景気後退)が来る確率も高まっている。
いよいよ金融関係者はスタグフレーション(インフレと景気後退)が起こるのではないかと口にするようになった。給料は上がらない、しかし物価が上がる。景気が悪化して一時休業・リストラの危機が高まり、リストラされたら次の仕事が見つからない。
それがスタグフレーションの状況下で起こることだ。今ひたひたと、その方向に社会が傾いてしまっている。まだ世間の人たちはピンと来ていないが、今はひどく危険な状況に入るか入らないかの瀬戸際にまで来ているのである。
ひどいことにならないことを私は祈っている。しかし、最悪がやってくる可能性も頭の片隅で考えている。ひどいことになるとすれば、やはり61万6000人の貧困シングルマザーは真っ先に苦境に落ちてしまうのだろう。