アメリカの共和党議員であるトッド・エイキン下院議員が、「正真正銘のレイプだったら女性は妊娠しない」と発言して大批判されて撤回するという騒ぎがあった。
これは、どういう状況で発言されたものだったのだろうか。
アメリカ社会を垣間見ている人たちにはよく知られているが、アメリカでは「中絶を認めるか否か」が常に大統領選の議題となる。
基本的にキリスト教国であるアメリカは「人工妊娠中絶には反対」の声が非常に大きい。中絶する医者を「殺人鬼」と罵倒して批判してみたり、中絶した女性を「子供殺し」と批判する風潮がある。
一方で、「中絶も女性の意思の問題」であり、それについて他人が批判すべきではないという容認派も多い。
大統領選挙になると、常にこの中絶論争が湧き上がるのである。今回の大統領選も、例によってこの問題が浮上している。