◆インドの売春地帯で、男が試されるのは「水を飲むとき」だ

◆インドの売春地帯で、男が試されるのは「水を飲むとき」だ

売春宿で水を飲むというのはよくあることだ。少なくとも女性は親切で水を差し出してくれる。それは拒絶できない。インドでは相手の差し出す水を飲むことによって、相手のカーストや人を受け入れたという意味がある。

もし女性を受け入れたと示したいなら、コップに差し出された水はどんな水であれ、受け入れなければならない。だから、彼女たちが見るその前で水を飲み干す。しかし、もし女性が邪心を抱いて睡眠薬を混ぜていたとしたら、ひとたまりもない。

もし、インドの売春地帯で睡眠薬を盛られたらどうなってしまうのか。私が持っていたそんな疑問の答えは、ムンバイの夜の街で知ることになった。睡眠薬を盛られたのを知って、必死で逃げようともがく男の姿を、私はカマティプラで見た。

ムンバイの売春地帯カマティプラやガート・コパールは、マフィアが売春地帯を支配しているという分かりやすい見本だ。夜になるとこの地区は非常に治安が悪くなる。スラムだから危険だというのではない。暴力団が無法地帯を欲しいままにさまよう街だから危険なのだ。

この地区の夜は、見るからに暴力団風情の男たちが闊歩して警察権力が及ばない。誰がこの地区の支配者なのかは、彼らの姿を見ると一目瞭然だ。

もともと売春地帯というのはどこでもマフィア風情の男たちが集まるところだ。売春地帯には酒と女と麻薬が溢れている。こういった欲望に直結するような場所は粗暴で利己主義的な男を惹きつけやすい。

日本でもそうだ。水商売の世界を支配するのは大抵が暴力団だし、それは誰でも知っている。インドでも見事にこの法則が当てはまる。

売春地帯を支配するのは暴力団組織である。女性が男に服従しているのは、彼女たちが淫乱であるとか自堕落だからではない。彼女たちは服従しないと虐待されるからそうしているだけだ。

カマティプラを歩いて適当な売春宿に入ろうとすると、音もなくポン引きがやって来て……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インド・バングラデシュ編』にて、全文をお読み下さい)

『ブラックアジア・インド・バングラデシュ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

ブラックアジア会員登録はこちら

CTA-IMAGE ブラックアジアでは有料会員を募集しています。表記事を読んで関心を持たれた方は、よりディープな世界へお越し下さい。膨大な過去記事、新着記事がすべて読めます。売春、暴力、殺人、狂気。決して表に出てこない社会の強烈なアンダーグラウンドがあります。

ブラックアジア書籍カテゴリの最新記事