カンボジアは1975年から1979年まで、民族大虐殺が引き起こされた国だ。この間、カンボジアの経済は崩壊するに任せられて、国土は死体の山になっていた。
その後も、ポルポト派は西部パイリン省のジャングルに拠点を構えて1985年あたりまでずっと武装闘争を行っていた。
やっとポルポト派との停戦が行われてからも、フン・セン派やラナリット派の闘争などが行われて政情不安は続いたままだった。
何とか国家運営がまともにできるようになったのが1990年代に入ってからだ。1990年代後半、タイ経由でカンボジアに入ると、その貧しさには息を飲んだ。
飛行機でほんの一時間飛んだだけで、国力の差は凄まじい開きがあったことを今でも私は忘れていない。
しかし、逆にこのカンボジアの光景が「アジアの原風景」に感じ、私は一瞬にしてこの国に惚れた。