2021年7月5日、ひとりの男が山手線のホームから逃げ出して、JR渋谷駅の高架から飛び降りるという事件があった。
何でもJR渋谷駅のホームで女性を盗撮していた疑いで揉めていて、警察が事情聴取に来た瞬間に逃げ出して、高架の上から飛び降りていた。
動画を見ていると、何も考えずに飛び降りて高さがあるゆえに回転してそのまま横向きで地面に叩き付けられたという状況である。これによって男は肋骨、胸骨、骨盤など複数を骨折して全治3ヶ月の重症である。
高架下には大勢の人が歩いていたが、たまたま巻き込まれた人はいなかった。
それにしても、命知らずの全力の逃げっぷりだ。ここまでして逃げたというのであれば、これは冤罪ではないように見える。もしかしたら、この男のスマートフォンには決定的な撮影物がたくさんあったのかもしれない。
そうだとすれば、多くの余罪がこれから明るみになっていくのだろう。
これほどまで必死に逃げたいというのは、恐らく盗撮がバレて社会的信用を失うのを全力で避けたかったという心理だったはずだ。
家族にバレたくなかった、会社にバレたくなかった、自分のまわりに自分の「闇」を知られたくなかった、という一心でこのようなことになったのだと思う。しかし、彼の事件は大々的に報道されたわけで、彼のやったことは永遠に人々の記憶に残る。
彼の思いとは真逆の事態になってしまった。まさに転落人生だ。
しかし、この種の事件を見聞きして思うのは、男たちの業の深さである。駅での盗撮ということは、恐らく女性のスカートの中を盗撮していたのだと思うが、バレたら家族には馬鹿にされ、会社はクビになり、社会的信用は失墜する。しかし……