あなたは恐怖を感じたことがあるはずだ。
これは当然のことである。恐怖を感じない人間は生き延びることができない。
火に対する恐怖、暴力に対する恐怖、あるいは高所に対する恐怖。こういったものがあるから人は生きることに慎重になり、結果として生き延びることが可能になる。
恐怖は長く生きるために必要な心の動きなのである。だから、誰でも何かしらに恐怖を持っていて、それで生きられる。
しかし、何らかの原因で、この恐怖があまりにも強すぎて金縛りのようになってしまっていたり、恐怖をずっと引きずり、精神的に強いストレスやダメージから回復できないケースもある。
これは「トラウマ」と呼ばれる現象だ。
アメリカではこの「トラウマ」が大きな社会問題と化している。2001年から現在まで、アメリカはアフガニスタンやイラクで戦争を繰り広げてきて、多くの兵士が戦場に送られてきた。