エジプトは2011年1月にチュニジアから始まった民主化デモによって、独裁者だったムバラク大統領が倒された。
最初、エジプト国民はこれを「民主化の成功である」として歓迎していたが、やがてその歓迎ムードは一気に萎んでいった。
後継者がまったく決まらず、国内は混乱と対立に明け暮れ、エジプト経済は崩壊に直面していくことになったのだ。
やがて、全国的イスラム組織であるムスリム同胞団を母体としたモルシ政権が1年後に発足して、事態は収束するかに見えた。
ところがモルシ政権は度重なる経済政策の失政で国民の支持を失い、軍部がクーデターによって政治介入を行い、2013年7月、モルシ大統領は解任された。
これによって、エジプトでは軍部とムスリム同胞団の血みどろの抗争が発生して、現在に至っている。国民は真っ二つに割れており、混乱が収まる様子はまったくない。
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