身勝手な人間が社会で目立つようになったので、私たちは注意する必要がある

身勝手な人間が社会で目立つようになったので、私たちは注意する必要がある

ビジネスをするのに、身勝手な人間と組んで良い結果が生み出せるだろうか。自分の人生のパートナーや友人を選ぶのに、身勝手な人間を選んで良い家庭を築けると思うだろうか。相手が「頭は切れるが身勝手な人間」だった場合、その頭脳と行動力が全力で自分を裏切ってくる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

身勝手な人間とは、どういう人間か?

アンダーグラウンドは身勝手な人間たちが集合する場所なので、たまにそんな中で約束も律儀に守るし、友情を優先してくれるし、部下や仲間に温かい目を持って接する人がいたら、心から尊敬してしまう。めったにいないのは間違いないが、皆無ではないのが興味深い。

もっとも社会の底辺や裏側にいる人で、たまに見かける人格者は「実は詐欺師だった」というケースも多いので、人当たりが良くて優しいから、すぐに信用できるとは限らないのは悲しい事実でもある。

詐欺師が人当たりが良くて優しいのは、騙すための演技である。本当に優しいのではなく、騙すために優しさを演じているだけなのだ。詐欺師こそ、究極に自己中私的で身勝手な人であるといえるだろう。

身勝手な人間は、世の中には大勢いる。

身勝手な人間とは、常に自分を第一に考え、自分の利益のためには他人を踏みにじることさえも厭わない人間だ。儲けも利益も独り占めにして、他人に利得を渡さない。徹底的に自分第一主義だ。

身勝手な人間は、常に自分だけの損得勘定と都合で行動する。他者に対する思いやりはない。それよりも自分の利益が優先するからだ。利益のためなら思いやりどころか、他者を押しのけてでも自分の利益を優先する。

身勝手な人間は、協調もない。協調などして他人に利益を持っていかれるのであれば「協調は損だ」と思って排除する。ただし、他人と協調した方が自分の利益になると思えば、他人と協調したフリをする。それは協調ではなく「利用」である。

身勝手な人間は、他人に対して感謝することもない。他人に感謝するということは何らかの対価を相手に与えてしまうと考えるので、身勝手な人間は他人に感謝しないのだ。しかし、他人には感謝を強要する。それは自分のプライドをくすぐって得意満面になれるからだ。

自分の利益のために、他者を徹底的にないがしろにする。自分が楽できるのであれば、自分の負担を他人に覆いかぶせることもするし、自分が社会や他人のためにカネを出すのはとことん拒絶する。義務は果たさないが、権利は要求する。

身勝手な人間は他人の苦痛には鈍感で、自分の快楽には敏感だ。

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他人と協力することができない

ところで、自分のことしか考えない傲慢な考え方を持っていれば、必ず得して必ず成功するのだろうか?

こうした身勝手な人間とは対極に、他人をいたわる気持ちを持ち、他人に同情し助けてあげようと思う「善良な人」もいる。こうした善良な人は、自分のことしか考えない人間に踏みにじられて損するだけなのだろうか?

場合によっては、そうとばかりは言えないのが世の中の面白いところだ。

善良であったことによって助かることもある。日頃から他者に思いやりや配慮を与えてきた人は、何かあった時にまわりに助けられることが多い。助けが必要な時、きちんと助けに応えてくれる人が出てくる。

極限まで自分を最優先して他人を踏みにじっても生き残ろうとする人間は、何かあった時には見捨てられる可能性がある。他人の助けが必要な時に、その助けが得られない。

自分優先の傲慢な生き方は、常に自分の生存を有利にするとは限らないのだ。

別に不思議なことではない。「身勝手な人間は他人と協力することができない」という問題を抱えている以上、それが不利に働く局面も出てくるということだ。

身勝手な人間は「一緒に井戸を掘って、水が出たら自分がそれを独占して他人に分け与えない」という性質がある。そのため、集団の中で何度かそうした行為が繰り返されると、誰もこの身勝手な人間を相手にしなくなる。

自分の権利ばかりを主張して他人のことは一切配慮しない行為は、他人に信頼されないばかりか、他人から排除されてしまうのである。

身勝手な人間は自分を優先するがゆえに他人から排除される。最後には何も手に入らなくなってしまう。結局、他人から爪弾きされて損をする。自分優先が極端であればあるほど自滅は早い。

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自分のことしか考えない人

巧妙で狡猾な人間は、自分が身勝手であることを隠して裏で自分の利益になるように画策する。しかし、こうした身勝手な人間の裏切りは、最後に「すべてが自分の利益になる」ことによって発覚する。

まわりを騙し、踏みにじり、結局は自分の利益のためにやっていたことがバレるので、その時点で相手にされなくなる。

寄付金詐欺は身勝手な人間が好む手口だ。

他人の不幸のために尽力しているという「良い人」を演じて金を集めながら、金が集まったらその金を自分の欲望を満たすために使いまくったり、姿をくらましたりする。

「貧しい人たちに寄付を」と言いながら、自分は金ぴかの豪華絢爛な屋敷で暮らし、それを見せびらかしているような奇妙な人間もいる。

もちろん、人々の善意で金を集めて自分の私腹を肥やしているようなことをしていたら、最終的にはそうした「裏の顔」は遅かれ早かれ何らかの方法でバレる。

自ら漏らさなくても、裏切られたと思った身近な人間が義憤に駆られて暴露することもある。あるいは「自分にも分け前をよこせ」という話になって内紛が勃発して裏事情が丸見えになることもある。

身勝手な人間は取り繕うのもうまいのだが、そうやって何度も取り繕っても、結局は最後には「自分のことしか考えていない」というのが発覚して見捨てられていくことになる。誰にも相手にされなくなるのだ。

その時点で、自分優先にした利得は失われる。社会や集団から見捨てられたら、その後は「何も得られない」という結果になっていく。

身勝手な人間からはまともな人間が去っていき、同類が集まってくる。しかし、うまくいかない。身勝手な人間の集団は、全員が他人を裏切る素養を持っている。そのため、裏切りと謀略が渦巻く集団と化して、遅かれ早かれ自滅していくことになる。

身勝手な人間からはまともな人間が去っていき、同類が集まってくる。しかし、うまくいかない。身勝手な人間の集団は、全員が他人を裏切る素養を持っている。そのため、裏切りと謀略が渦巻く集団と化して、遅かれ早かれ自滅していくことになる。

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相手が身勝手な人間だった場合

全員が身勝手になると、どうなるのか。身勝手が蔓延すると間違いなく社会秩序は荒廃して、そこは誰も住めない大地と化す。

「善良な人間」と「悪い人間」があるのなら、「善良な人間」であろうとした方が社会全体に良い結果をもたらすのは言うまでもない。道徳的に良いのではなく、合理的に考えて「善良な人間」であった方が結果的には良いのである。

自分がビジネスをするのに、身勝手な人間と組んで良い結果が生み出せるだろうか。あるいは、自分の人生のパートナーや友人となるべき人を選ぶのに、身勝手な人間を選んで良い家庭を築けると思うだろうか。

自分の仕事の関係者が「頭の切れる身勝手な人間」だった場合、その頭脳と行動力が全力で自分を裏切ってくる。恐ろしくないだろうか?

あるいは、自分のプライベートの人間関係に身勝手な人間がいた場合、自分の何もかもが相手に吸い取られ、何もなくなったら見捨てられてしまう。自分は「利用されるだけの存在」と化すからだ。

悪い人間関係が元で破滅していた人たちを、誰もが自分の人生の中で、ひとりやふたりは思い浮かべることができるはずだ。そのため、付き合う相手を選ぶというのは、人間が社会で生きていく上で非常に重要な素養であると言える。

自分のことしか考えない、自分の都合しか主張しない、自分の利益で他人を裏切るような身勝手な人間がいたとしたら、私たちは何をしなければならないのか。

そうした身勝手な人間と関わっていると被害が拡大することになる一方なので、最も良い選択肢は「関係を切ること」なのである。その決断は早ければ早いほどいいのは言うまでもない。

身勝手は治らない。自分の都合を優先するために他人を犠牲にしても良いという身勝手な人間とは、一緒にいない方が合理的だ。最近、このような人間が社会で目立つようになったので、私たちは注意する必要がある。

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