マキャベリが理想の君主だと言ったチェーザレ・ボルジアは、謀略と戦争と裏切りの中で生き、敵には容赦しなかった。
戦争捕虜はペニスを切って食わせて口を縫うという残虐なことも行われていた。それによって敵に恐怖心を与え、自分たちに刃向かわないようにしたのである。
ペニスを切って食わせる……。奇しくも、これは現代でもアフリカ一帯で見られる処刑だ。たとえば、2015年現在、中央アフリカではキリスト教徒とイスラム教徒が血で血を洗うような殺戮闘争が起きている。
その中で、彼らは敵対者の男を捕まえて、ペニスを切断して食わせるような「見せしめ」を行っている。アフリカ人はチェーザレ・ボルジアの書籍に親しんでその処刑を再現したのではないはずだ。
本能がそれをさせている。だから、同じような残虐な処刑が出現する。つまるところ、人間はこのような野獣の血を心に秘めた動物なのだろう。