今の私たちは新型コロナウイルスによって「3つの危機」に直面しているのだ

今の私たちは新型コロナウイルスによって「3つの危機」に直面しているのだ

「騒ぎ過ぎ」という人もいる。しかし逆に「甘く見過ぎ」という人もいる。そういった意見が渾然一体として流れていて、いったい何が真実で何がフェイクなのかすらも分からない。そのため、人によっては情報に接することすらもストレスになる。「いったい、どうなってしまうのだ」という恐怖が、世界中で渦巻いていることが報道されている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「いったい、どうなってしまうのだ」というストレス

新型コロナウイルスによって人々の暮らしが制限され、グローバルに構築されたサプライチェーンが分断され、政治は混乱し、生産が停止し、内需が止まりつつある。特効薬はいつ開発されるか分からない。

この中で、人々の心の中には徐々に閉塞感や不安や恐怖が広がるようになってきている。世の中の動向や変化や日常生活の不便に敏感な人であればあるほど、不安から来るストレスは大きなものになる。

新型コロナウイルスは、かかったら死ぬような強毒性のウイルスではない。

しかし、高齢だったり、基礎疾患を持っていたり、あるいは運が悪ければ、重症化して死んでしまうかもしれない。死ななくても、重症化して苦痛の中でうめきながら治療を受けなければならないかもしれない。

「騒ぎ過ぎ」という人もいる。しかし逆に「甘く見過ぎ」という人もいる。そういった意見が渾然一体として流れていて、いったい何が真実で何がフェイクなのかすらも分からないので、人によっては情報に接することすらもストレスになる。

「いったい、どうなってしまうのだ」という恐怖が、世界中で渦巻いている。日本人は理不尽なことが起きてもじっと耐える習性があるが、世界ではそうではない。

「なんでこんな目に遭わなければいけないのだ」と激しく泣き叫びながら訴えている中国人やイタリア人の姿も報道で流れていたりする。あるいは、恐怖のあまり家から一歩も出られなくなってしまった人のことも報道されている。

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やり場のない怒りを感じても、避けられない現実

やり場のない怒りを感じている人も多いだろう。

日常生活が破壊され、制限され、場合によっては会社が傾き始めたり、経営が悪化して雰囲気が変わってしまったり、急に失職の恐怖に駆られたりするような事態になって怒りを感じない人はいない。

世界各国が非常事態宣言を出しており、入国制限を厳しくしている。日本ではオリンピックが開催できるかどうかの瀬戸際にまで追い込まれているのだが、「もう開催は難しいのではないか」という方向に傾いている。

すでに全世界のあらゆる企業が経営的に総崩れになっているのだが、大企業でもドイツ銀行やボーイングのような企業すらも資金繰りの悪化によって「本当に大丈夫か?」という噂が飛び交っている。

中小の企業は突如として降って湧いた売上減で、もはや従業員に給料を払うどころではなくなってしまい、経営者が金策で駆けずり回り、疲弊し、ボロボロになってしまっている姿もある。

ホテル、旅館経営、民泊、バス会社は全滅だ。旅行代理店も破綻している。インバウンドを相手にしていた飲食店も全滅状態だ。大阪道頓堀は特に中国人観光客が多い場所だったが、かなり経営がキツい状態になっていると聞く。

歓楽街も九州のキャバクラで感染者が出たことや、名古屋で感染が分かっていてフィリピンパブに行った男が女性従業員に感染させた報道もあって、日本の歓楽街のすべてが売上減に見舞われている。札幌のススキノは壊滅状態でもある。

風俗からは今のところ奇跡的に感染者が出ていないが、ひとりでも風俗で感染者が出たというニュースが報じられたら一瞬にして壊滅する業界だろう。

プロのトレーダーやヘッジファンドの中には資金繰りにショートして吹き飛んでしまうところも出てくる。個人でも、追証に追われたり、証拠金を払えなくて資金を吹き飛ばしたトレーダーが大勢いる。

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新型コロナウイルスがもたらす環境変化のストレス

こんな状況なので、「いったい、いつまでこの忌々しい騒動が続くのだ」と、強いフラストレーションが湧き上がっても当然のことだ。

しかし、新型コロナウイルスは世界に拡散していく一方である。社会全体がこんな状態では、フラストレーションは解消できるものではない。社会情勢の悪化、経済情勢の悪化、人々の苛立ちや不安の悪化は、特効薬が開発されない限り、決して解決しないのだ。

すべての人はこうした中で鬱屈した気持ちに襲われるので、何をしても常に心の奥底に重苦しさを抱えることになるだろう。親しい人や友人と話をして一時的にストレスが解消できたとしても、状況は変わっていないので気持ちが晴れることはない。

健康的なライフスタイルを心がけようにも、ジムに通えばクラスターに巻き込まれる危険もあるし、外出すればするほどリスクが増えるのだから、ストレスは積もっていくばかりとなるだろう。

社会的なつながりは、希薄にならざるを得ない。これは社交的な性格の人であればあるほどキツいはずだ。

全世界がこうした事態に巻き込まれている。

だから、世の中にはフラストレーションが渦巻いていく。新型コロナウイルスはまさに歴史的な災厄であると言っても過言ではないのだが、新型コロナウイルスにかかって苦しむことの他に、新型コロナウイルスがもたらす環境変化のストレスで病む人たちも増えるのではないか。

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新型コロナウイルスによって「3つの危機」に直面

つまり、今の私たちは新型コロナウイルスによって「3つの危機」に直面していると言える。

1. 感染してしまう危機。
2. 経済的に困窮してしまう危機。
3. ストレスにさいなまれる危機。

どの「危機」が一番自分に迫っているのかは、それぞれの環境による。日本はすでにかなりの地区で感染者が出ている国なので、自分がどこで暮らしていたとしても感染する可能性はゼロではない。

家族を持っている人は、自分だけでなく家族の感染をも心配しなければならない。

また、日本人の多くはすでに政府によって不要不急の外出を避けるように指示されている。職場の売上はかなり激減して経済的不安の方が、感染する不安よりも強い人もいる。

経済的な不安は平時でも危機である。新型コロナウイルスは容赦なく経済を破壊するのである。状況が変わらないのであれば、経済的不安を感じる人は増えていく。

このような環境すべてにストレスを感じて苦しむ人もいる。

そのストレスは人によって強弱はあるのだが、「マスクが手に入らない」「トイレットペーパーが手に入らない」というような日常の不便なども重なると、ストレスのレベルもかなり強くなっていく。

今、すべての人がそうした事態に直面しているわけで、この状況は決して健全ではない。しかし、どうしても逃れることができない非常事態である。

2020年がこんな年になるとは、2019年の段階では誰も予測し得た人はいなかった。「世の中は予測できないし、予想外のことは何でも起きる」という当たり前のことを私たちは今、非常事態の中で経験している。

果たして状況はどのように変わっていくのか。先が見通せない世界でもある。

『最強の教養 不確実性超入門(田渕 直也)』

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