南米コロンビアもまたドラッグ・カルテルに国が飲まれてしまい、メキシコが現在のようにドラッグ・カルテルに占拠される前は、南米で最も危険な国がコロンビアだった。
私が中米ニカラグアにいた1996年、知り合いになったホテルの従業員と話をしていたときに、コロンビアの話題が出たことがある。
彼はこのようなことを言った。「パナマも危険だが、コロンビアだけは行くな。あそこでお前のような外国人がうろうろしていたら殺されるか誘拐される。これは本当だ。冗談じゃない」
この当時のコロンビアは、国家をも凌ぐ勢力となったメデジン・カルテル(麻薬組織)がパブロ・エスコバルの逮捕によって崩壊し、群雄割拠していた時代であった。
麻薬カルテルが崩壊した後に兵士が街に放出された。
そして、それぞれが徒党やグループを組み、かつて麻薬カルテルの押さえていた覇権を奪い取ろうと、市街で銃撃戦が繰り広げられていたのである。