キルギス(かつてはキルギスタン)という国がある。かつてソビエト連邦に属していた国で、タジキスタン北部に位置する国だ。
誘拐婚(アラ・カチュー)という世にも奇怪な伝統が存在する国がキルギスだが、この国のことは誰も関心がない。(強制結婚。それは、時代が変わればいつでも戻って来るのだ)
誰も関心がなく、何が起きても国際世論に無視され、そもそもこんな国があることすらもほとんど知られていない。つまり、この国は国際社会から「見えない国」だったのだ。
そんなキルギスにも2014年までアメリカ軍基地があった。
アフガニスタン戦争の後方基地としてアメリカはキルギスの軍事基地を使用していたが、2014年にはアフガニスタンの撤退と共に空軍基地を閉鎖して出て行った。
それまでは、アフガニスタンの後方基地として機能し、しかもこの基地内で様々な「秘密任務」が行われていた。
実はキルギスは1993年にアメリカと「協力協定」を結んでいて、アメリカから持ち運ばれる物品については、すべて無関税で、アメリカの軍人に外交官と同じステータスを与えられていたのだった。
見えない国。秘密任務。無関税の強力協定。いったいアメリカはこの「見えない国」キルギスで何をしていたのか。