私がタイ・バンコクの売春地帯パッポンに溺れるようになったのは、パッポンで知り合った「マイ」という名前の女性がとても好きになったからだ。
彼女も私のことを好きになってくれて、ずっとそばにいてくれた。私は同い年の、本当に可愛らしい女性と一緒に過ごせて有頂天になっていた。(パッポンのマイ。なぜ自分はここまで堕ちたのかと、涙した)
しかし、最初はうまくいっていたのに、途中で彼女の束縛と嫉妬があまりにも強いものになっていき、私は耐えられなくなって彼女から逃げた。
しばらくパッポンも行かなくなってずっとヤワラーにいたのだが、いったん日本に帰国した。しかし、寝ても覚めてもマイと堕落と快楽に溺れた日々が忘れられなくて、私は日本のすべてを捨てて再びタイに戻っていた。
マイがいたのは「リップ・スティック」というバーだったが、彼女のことを知っているウエイトレスに聞くと、「彼女は辞めて、もういない」という言葉が返ってきた。
それでも、私はいつか彼女とパッポンでばったりと再会するかもしれないと信じていたが、結局二度と彼女には会えなかった。そして、私は真夜中の世界のルールを思い知った。