閲覧注意
タイの売春地帯パタヤでひときわ華やかなのはウォーキング・ストリートだが、ここで働くのは女性たちだけではない。
レディーボーイもまたここが主戦場となっており、多くの白人(ファラン)たちにペイバーされて夜の闇に消えていく。
レディーボーイとは、日本で言うところのニューハーフ、欧米で言うところのシーメールである。元の性別は男性なのだが、手術やホルモン接種や女装によって、女性になりきる。
こうした倒錯的な存在は、タイ売春地帯では欠かすことのできない存在である。
このウォーキング・ストリートで働いていたひとりのレディーボーイが姿を消したことがあった。
このレディーボーイも勤めているバーに連絡もせず、店がこの人の携帯に電話をしても誰も取らなかった。そこでバーはこのレディーボーイを辞めたものだと判断した。
レディーボーイがひとり消えたところで誰も気にしない。そんなことは、よくあることだ。このレディーボーイも、ふと仕事が嫌になって辞めたに違いないと思われていた。
しかし数日後、この男は自室で死んでいることが判明した。ベッドの上で死体はパンパンになって膨れ上がっていた。