スクンビット界隈で最強に目立っていたのは、今ここで自信満々な表情で私を見つめて逃がさない女性であるのは間違いなかった。アフリカから来た彼女の肌はエボニーで、彼女もまたアフリカの女性特有の大きなヒップを持っている。
そのヒップを強調するように肌にぴっちりと張り付いたヒョウ柄のレオタードで強調していた彼女は自ら「私はすごくいい女」と私に宣言し、そして3000バーツを要求しているのだった。
それはうぬぼれだったのだろうか。いや、官能的なボディーを持った彼女を見ていると、彼女が自らそのように言うのは納得できると思う男の方が多いに違いない。
こうした肉感的な黒人女性をハントするのは白人(ファラン)よりも中東の男が多いのだが、中東の男には「私はすごくいい女」と宣言するような女性の方がアピールしやすいのかもしれない。
そんなことを思いながら、私は「3000バーツは高い」と言って彼女がどう出るのか様子を見たが、彼女は即座に「いくらなら出せるの?」と私に尋ねた。私は間を置いて「2000バーツ」と最近のバンコクの相場を言った。
それを聞くと、彼女はニヤリと笑って私に思い切り抱きついてきた。その力の強さにも身体の線の細いアジア女性との違いを感じさせた。