2016年10月2日、世界銀行は2013年になって世界の貧困層が前年に比べて1億人以上も減少し、7億6660万人となったと報告している。
貧困は「減った」のだ。
ただし、現在の世界人口は約73億人である。7億6660万人と言えば、世界の人口の約1割だ。
人口の1割が資本主義の中で衣食住がまったく事足りず、死を覚悟して生きなければならない「絶対貧困」の中にあるということになる。
これが多いのか少ないのかは人によって見方が違う。ただ、7億人というのは尋常ではない人数であるのは間違いない。減ったと言っても、その総数は膨大だ。
ところで、先進国で暮らす私たちはややもすれば貧困に落ちた人は努力しなかったからだとか、怠けて何とかしなかったのだから自己責任だという考え方になる。
しかし、この7億6660万人の「極度の貧困」に落ちている人は、別に怠け者だったからそうなったわけではない。端的に見れば「生まれた場所が悪かった」としか言いようがない。