かつての名歌手として知られていた朱里エイコの歌『白い小鳩』では、このような歌詞がある。
『産毛さえ消えぬうちに、夜の酒場勤め出して、流れ者に騙された』
真夜中の女たちは、それがどこの国の女性であれ、自国の男よりも外国から来た素性の知らない男の方を好む傾向がある。その理由はいろいろだ。
外国からやってくるくらいだから金持ちの確率が高いとか、見知らぬ国の男と付き合うのはスリルがあってロマンチックだとか、後腐れなくていいとか、いくつもの理由がそこに込められている。
タイの女たちも、フィリピンの女たちも、インドネシアの女たちも、アンダーグラウンドの女たちはみんな外国からやってきた「流れ者」に惹かれる傾向があった。本当であれば、同国人の同じ世代の男と付き合うのが一番うまくいくのに、最も素性の分からない男と付き合う。
そして、「流れ者に騙された」という結果になってしまう。それでも、女たちは懲りない。見知らぬ男に惹かれるのだ。
男の方はどうなのか。男はもっとひどい。自国の女性だろうが外国の女性だろうが、とにかく「見知らぬ女」が好きだ。知っている女性よりも知らない女性に惹かれる。男はみんなそうだ。