◆死ぬまで働けと強制する社会だからカフェインが私たちの身近にあるのだ

◆死ぬまで働けと強制する社会だからカフェインが私たちの身近にあるのだ

ドラッグには大きく二つに分別するとしたら、アップ系とダウン系に分けられる。アップ系というのは、それを取ると「覚醒」する方向に作用するものだ。ダウン系というのは、それを取ると「鎮静」する方向に作用するものだ。

アップ系の代表的なものは覚醒剤(メス)やコカインであり、ダウン系の代表的なものはヘロインやモルヒネ、アヘン(オピウム)である。

どちらを好むのかは人によって違うのだが、重度のドラッグ依存になるとどちらも使用する依存者が出てくる。過度に覚醒してざわつく神経を今度は一気に鎮静させたいという気持ちになるからだ。

ドラッグ依存者のこのような行動を唾棄する人は多いが、私が見たところ日本人はこれを合法的な方法で「みんなやっている」ように見えて仕方がない。日本人は朝になると栄養剤やエナジードリンクやコーヒーやタバコをとって、夜になるとアルコールを飲んでいるではないか。

意識的にも無意識にも、カフェインやニコチンで覚醒させてアルコールで鎮静させているのである。最近、社会はニコチンを排するようになっているのだが、カフェインは無条件で受け入れられている。

あらゆる栄養ドリンク、エナジードリンク、眠気覚まし、コーヒー、紅茶にカフェインが入っており、日本人はそれを途轍もなく好んでいるように私には見える。70歳まで働け、と社会は日本人に強制している。疲れた身体にムチ打って働くためにカフェインは最良だ。(鈴木傾城)

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