コロナ禍で多くの非正規雇用者が給料減・雇い止め・リストラに遭って苦しんでいるのだが、その中でも非正規雇用者の多くを占める女性が最も追い詰められている。
ワクチン接種は世界中で始まっているのだが、2021年はまだまだコロナ禍が社会を覆い尽くしたままなので、女性の苦境は止まらない。コロナは人と人の接触を避けなければならないので、水商売でも風俗でも稼げない。
生活も、コミュニケーションも、夜の世界も、すべて封じられているのが今の女性である。将来に対する漠然とした不安も渦巻いている。女性の自殺も増えた。
コロナ禍で多くの女性が限界ギリギリまで貧困化している。そうであれば、コロナ禍が徐々に収束していくと思われる今年後半から、手っ取り早く稼ぐために追い詰められていた女性が風俗にも流れるようになる。
どこかの芸人が「コロナが収束したら、もう絶対面白いことあるんですよ。コロナ明けたら、短期間ですけれども、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」と言って批判されたことがあった。(マネーボイス:岡村隆史「コロナ明けたら可愛い人が風俗嬢」発言が浮き彫りにした貧困女性の地獄=鈴木傾城 )
彼が間違っていたのは、美人さんだけが風俗嬢をするという点ではなく、追い詰められた多くの女性が、美しいかそうではないのかに関係なく風俗に向かうという点だ。
日本だけに限らないのだが、もともと「女性の貧困」は先進国でも途上国でも深刻になりやすい傾向がある。女性は、今の社会では不利にできている。ビジネスの社会は依然として男性優位の社会であり、女性は給料や待遇の面で差別を受けている。
スタート地点から女性は、弱い立場にある。結婚したら、出産・子育てに入るが、その間、女性は給料がゼロになるか、激減する。育児休暇は給料満額ではないのだ。
子育てが終わったらブランクを吸収できずに、またもや給料が下がる。歳を取ったらパートくらいしか働き口がなく、そこでも必要最小限の給料しかもらえない。
日本の女性もまた「女性の貧困」を生み出す社会システムから逃れることができなくなっていった。しかし、勘違いしてはいけない。
日本女性は「まだ」貧困のどん底《ボトム》に堕ちていない。