真夜中や明け方に歌舞伎町のホテル街を野良犬のようにうろついていると、ストリートでホストと若い女性が激しく口論している姿を見ることがある。
大抵は、女性の方がかなり感情的になってホストに詰め寄って、ホストが反撃するパターンだ。
ホストに大金を注ぎ込む女たちにとっては、ホストと切れるというのは今まで注ぎ込んだカネが無駄になり、文字通り「すべてを失う」ことを意味している。必死だ。
ホストの方は女たちからカネを毟り取ることで生活と地位が成り立っているので、女たちの担当になるというのはトラブル込みでの付き合いでもある。
最初は店でうまく関係が回っていても、女性にカネがなくなると風俗に押し込んだり、アダルトビデオに売るか、それができなければ問答無用で切らなければならない。
No Money, No Honey(金の切れ目が縁の切れ目)は、真夜中の世界ではどこでも共通であり、これに関しては例外はない。ホストと女性の関係もそうだ。だから、この関係は最後は破綻する。
互いに酒が入っているので罵り合いは遠慮ない。こうした光景もまた歌舞伎町のひとつの日常であり、歓楽街にはどこでも見られるものである。