9月23日、中国に旅行していたふたりのタイ人女性が、現地の中国人の男たちから「お前は売春婦だ」「タイは売春の国だ」と罵られ、あざ笑われたと、涙ながらにSNSで発信していた。
周囲の中国人たちは、その様子を見てとがめるのではなく、逆に笑っていた。彼女は最初、言葉の意味を理解していなかったが、ガイドが「タイは売春の国だ、といっている」と解説すると、彼女の心は深く傷ついた。
タイ女性に暴言を吐いた中国人たちのふるまいは、またたく間にオンラインで拡散され、タイの人々は憤った。タイ人女性全員をセックスワーカーとして捉える偏見や固定観念《ステレオタイプ》の問題は、じつはしばしば起きている。
タイ人だけでなく、この事件を知った多くの人々が、ふたりのタイ女性に寄り添い、「他人を侮辱し、ステレオタイプ化する人々は無知だ」と痛烈に批判した。
東南アジア諸国、とくにタイに対する「売春国家」という固定観念は、過去から続く観光業におけるセックスワークの存在が原因のひとつとして挙げられるが、これはタイ全体を代表するものではない。
それにもかかわらず、一部の人々はこの固定観念を利用して、タイの文化や女性を侮辱する。じつは、中国人だけではない。白人《ファラン》たちの中にも、タイに長く住み着きながら、タイ女性を軽蔑する男も多い。
「メス犬」「売春婦」「くそったれのエイズ女」……。
こうした言葉はすべて、タイでセックスワーカーとかかわっていた白人の男が、自分のサイトで使っていた言葉である。この男はポルノにもタイ人セックスワーカーとの行為をアップしていて、それを「lbfm」とジャンル付けしていた。
「lbfm」が何を意味するのかご存じだろうか?