シエラレオネは、西アフリカに位置する小国なのだが、その経済情勢と国の状況は非常に厳しいものとなっている。この国は、豊富な鉱物資源や農業資源を有し、ダイヤモンドや金、鉄鉱石、ボーキサイトなどの一次産品が主要な外貨獲得源となっているのだが、国民の経済情勢は最悪だ。
世界銀行のデータによると、国民の43％が絶対的貧困状態にある。そして、国民の92.7％が1日5.5ドル以下の生活を強いられている。
安全な水源にアクセスできる人々は人口の47％しかなく、5歳未満児の死亡率は1,000人中167人、出産時の妊婦死亡率は10万人中1,300人と、世界でも最悪レベルの数字を記録している。
首都フリータウンは気候変動に極めて脆弱で、大雨が降るたびに大規模な洪水や土砂災害が頻発している。さらに、いったん自然災害で壊れた箇所はそのまま放置されて復興できない。
政治情勢も最悪で、1991年から2002年まで続いた内戦の影響から完全には回復できていない。そんな中、イスラム過激派組織によるテロの脅威にさらされており、犯罪も横行している。
若い女性が犯罪組織に誘拐され、レイプされた上で他国に売り飛ばされるのは日常であり、アンダーグラウンドでは危険なドラッグも蔓延している。現在、シエラレオネでもっとも深刻な脅威となっているドラッグがある。
それは、クッシュ（Kush）と呼ばれている。
クッシュは、強力な合成オピオイドを主成分とする危険なドラッグである。アメリカでは「ゾンビドラッグ」と呼ばれているのがフェンタニルを成分とするものだが、これもオピオイド系のドラッグなのでその危険性がわかるはずだ。
クッシュは、このフェンタニルのようなものに、「他の成分」をいろいろ適当に混ぜたものだが、これをタバコに入れ混ぜて売っている。この「他の成分」というのは、私たちの想像を絶する斜め上のもので驚愕する。何だったのか。
