本日より、鈴木傾城の新刊『病み、闇。: ゾンビになる若者、ジョーカーになる若者』が発売されます。
内容は以下の通りです。
「将来は末期がんになりたい」「ゾンビは死んでいるからかっこいい」「寝てる間に死ねばいいのに私」「存在自体をみんなの中から消したい」……。
そのように話す病み界隈の若者たち。「僕は負け犬ですから」「幸せそうな人を見ると殺したくなる」「ジョーカーという真摯な絶望を汚す奴は許さない」……。そのように話すジョーカーのような若者たち。
日本社会の裏側は、どうなってしまったのか? リストカット、オーバードーズ、自殺、自暴自棄、闇バイト、社会に対する復讐感情、荒れていく社会の裏側を作家・鈴木傾城が暴き出す。
ゾンビ化、ジョーカー化。日本の裏側は背筋が寒くなる
日本の社会の裏側で、オーバードーズをする若者たちが増えているのがよく報道されるようになってきています。さらに、リストカットをする若者たち、自殺する若者たちもまた目立つようになってきています。
『自殺配信した後のことを考えてニヤニヤしている。伝説になれるかなあ。憧れてくれるかなあ』
そのようにSNSに書いて、実際に自殺してしまった女子学生もいます。彼女が自殺した現場に行くと、まったく痕跡が消されて何事もなかったかのような光景になっていましたが、それでも彼女のやったことは、彼女に共感する同じ若者たちに語られています。
彼らは「病み界隈」と呼ばれていて、SNSで互いにつながり合い、オーバードーズに効くクスリの情報を交換し合ったりしています。トー横(歌舞伎町の東宝ビル周辺)に集まっている若者たちも、そうした病み界隈の若者たちでした。
彼らの世界ではオーバードーズも自傷も自殺も日常となっています。だからこそ、彼らの存在はいつも新聞沙汰になっているわけです。
こうした若者たちと共存している半グレの若者たちもいます。あるいは、鬱々とした気持ちを抱いて経済的にも「負け犬」と呼ばれて社会から蹴落とされている若者たちもいます。
彼らの一部が社会に深い復讐感情《ルサンチマン》を持つようになって、ポツリポツリと事件を引き起こしています。それは、あたかも映画で描かれた「ジョーカー」のようでもありました。
クスリでオーバードーズして「ゾンビ」のようになりつつある若者と、社会に復讐感情を持って「ジョーカー」のようになりつつ若者が誕生しているのが今の日本です。
こうした日本の裏側を本書『病み、闇。: ゾンビになる若者、ジョーカーになる若者』で書いてみました。
お手に取って頂ければ幸いです。
病み、闇。: ゾンビになる若者、ジョーカーになる若者
第一章 死の恐怖が希薄な若者たち
▼伝説になれるかなあ。憧れてくれるかなあ▼歌舞伎町と、あっさり死にゆく若者たち▼リストカットという世界
第二章 死ぬことには価値がある?
▼自己嫌悪や自己否定の感情が強い?▼まだ二十歳なのに、もう「死にたい」と思う
▼「首吊り士」に連絡を取る女性たち
第三章 ゾンビ化していく若者たち
▼オーバードーズが生み出す奇妙な世界▼病みを抱えた「地雷系」の女の子▼寝てる間に死ねばいいのに、私▼「大きな宇宙めがけて飛び込んだ」
第四章 日本女性はなぜこんなことに?
▼日本女性の環境はどんどんハードモードに▼歯のない女性でさえ風俗嬢になる世界▼「こんな女に誰がした」という恨み節
第五章 目ざわりだから抹殺する
▼幡ヶ谷で殺されたホームレスの女性のこと▼「ホームレスの命はどうでもいい」の裏側▼母親が子供を目ざわりに思って起きたこと▼存在自体をみんなの中から消したい
第六章 負け犬が社会に牙をむく
▼自ら「負け犬」と嘆く男性に会う▼日本社会を覆い尽くす「負け犬」たち▼妄想と錯乱と支離滅裂の大量殺人▼大量殺人・衝動殺人に走る姿が日常化?
第七章 ジョーカーたちの群れ
▼幸せそうな人を見ると殺したくなる▼這い上がれない人間が最後に辿り着く世界▼犬としてのプライドすらないのが日本?
第八章 先の見えない人生と暴発
▼ドラッグに溺れるセックスワーカー▼吉原ソープ殺人事件で犯人が語った動機▼安倍晋三元首相の暗殺現場
第九章 ルサンチマンの行く末
▼ルサンチマンが爆発する▼闇バイト。若者を使い捨てる日本▼「金持ちは敵だ」「金持ちから奪え」
第十章 日本社会と暴力の未来
▼社会を不安定化させている経済格差▼弱肉強食の資本主義のゆくえ▼知的レベルの高い人間を粉砕する▼ゾンビ化とジョーカー化は互換性がある?
新刊出版おめでとうございます!出版記念に、サイン会?トークショーのご予定はございますか?(笑)
本屋さんで予約して購入しま~す。楽しみです。
本屋さんで予約なのですね!
ありがとうございます。
今のところ考えていないのですが、
もしそういうイベントがあったらどうぞよろしくお願いします。
新刊出版、お祝い申し上げます!
「病み界隈」(…むう)のご取材は、前のご記事のエナジーバンパイアじゃないが、なかなかの消耗戦だったのではと拝察いたします。
書店に注文いたしたいところですが(がんばれ本屋)、ネットでポチっとな、といくかもしれません(許して本屋)
心して拝読させていただきます。
auroreさん
ありがとうございます!
オーバードーズやリストカットの世界は私にはまったく未知のものだったので苦戦しましたが、当事者の方からいろいろ教えてもらって感慨深いものになりました。
実は私がもっとエナジーバンパイアに晒されたのは、パチンコ依存のほうですねえ。彼らの金に対する使い方は私にはまったく馴染めなくて、話を聞きながらノイローゼ一歩手前まで追い込まれました……。
オーバードーズやリストカットの女性は、変な話ですが心理的には理解できるものがありました。
今回の本も暗くて陰惨で、後半も社会的復讐を思う気運も扱っているので、飛びきりハードな内容の本になったかもしれません。
どうぞ、よろしくお願いします。
本を出版されたのですね、おめでとうございます。
地方なんでネット注文になりますが購入させていただきます。
葵さん、ありがとうございます!
ネット注文でも大歓迎です。
どうぞよろしくお願いします。
新刊出版✨お待ちしておりました!
「病み、闇。」…
なんか今の日本を象徴するようなタイトルです
目次を見ただけでも
興味深い内容が目白押しですね
私もぜひ予約注文させて頂きます
“無知の知”じゃないですけど
何かを知ることから何かは始まります
いつもきっかけを与えて下さって
ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゚
ありがとうございます。
この本を書くに通して、「病み界隈」に属している人たちから話を聞いたりしたのですが、彼女たちの文化の中でサンリオのキャラクター「マイメロ」「クロミ」が深く定着していて、とくに「クロミ」が彼女たちの象徴になっているみたいなことを初めて知りました。私はサンリオのキャラクターもアニメも知らないので、私自身もここで「無知の知」を得ました。彼女たちに聞かれている「病み歌」なるものも、あったりするんですよね。
ブラックアジアの読者の方々で女性の方はみんな「マイメロ」「クロミ」は知っていましたね。男性陣は私と同じで「?」でした。
予定通り、本日より発売!
どうぞよろしくお願いします。