◆「社会を恨んでいる。無期懲役になりたい」と無差別事件を起こした男の心の中

◆「社会を恨んでいる。無期懲役になりたい」と無差別事件を起こした男の心の中

「社会を恨んでいる。誰でもいいから殺したかった」と言いながら、容赦なく人を殺して無期懲役になった男がいる。

小島一朗だ。

2018年6月9日、走行中の東海道新幹線・東京発新大阪行き「のぞみ265号」の車内で、ナタやナイフを振りかざして見も知らぬ人を3人殺傷させたのがこの男だった。ナタはホームセンターで買ったもので、ナイフは別の場所で買って揃えていた。

当時22歳だったこの男は、新幹線の通路側の席に座っていたのだが、列車が新横浜駅を発車したらすぐに立ち上がって、隣に座っていた26歳の女性の頭部に向かって、いきなりナタを振り下ろした。本当は首を狙って斬首することも考えていたようだが、当たったのは頭部であった。

小島一朗は次に通路をはさんだ向こう側の席に座っていた女性を見ると、この女性にもナタを振り下ろして左腕に重傷を負わせた。

一瞬にしてパニックになって逃げる乗客でドミノ倒しになった車内だったが、事件に気づいた38歳のサラリーマンの男性が後ろから小島一朗を羽交い締めにして、揉み合いながら倒れた。小島一朗はそれを振り解いて別の女性を切り刻もうとした。

サラリーマンの男性がさらにそれを阻止しようとすると、小島一朗はその男性を切りつけて、倒れたところを馬乗りになって予備で持っていたナイフで切りつけていった。男性は「待て、話を聞け」と諭したが、小島一朗は止めなかった。

結局、この男性は大腿部や首から大量の血を吹き出して瀕死の状態になり、その後は搬送された病院で死亡している。初公判で小島一朗は「私は止めに入った人を見事に殺しきりました」と述べた。

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