◆性的マッサージを受けても物足りなく感じる男は何が足りないと思っているのか?

◆性的マッサージを受けても物足りなく感じる男は何が足りないと思っているのか?

ここ2年、ほとんどタイ古式(トラディッショナル)マッサージを受ける機会がなかったのだが、街を歩くと至るところにタイ・古式マッサージの看板が目につくので、久しぶりにマッサージを受けてみることにした。

私は運動をほとんどしない上に、ここ10年は座りっぱなしでいることも多くなった。そのせいか、持病と言ってもいいくらいひどい腰痛を抱えている。一年に一度は腰が痛くて歩けなくなるほどだ。「爆弾」を抱えているような気持ちになる。

以前は東南アジアをさまよい歩きながら、暇があればマッサージを受けていた。特にタイはトラディッショナル・マッサージが林立していて、どこに入っても安くて技術力も高いので、マッサージは日課のようになっていた。

パタヤに常在している時は毎日、マッサージ店を変えて巡り歩いていたくらいだ。

タイの安さに慣れていると、日本のマッサージ店の料金の高さに臆して急に行かなくなってしまうのだが、それでも身体が求めている時は古式マッサージが恋しくなって足が向く。

この日も、目についた雑居ビルの二階のマッサージ店に向かって「本当に腰が凝っていて技術力のある方にお願いしたい」と言って、マッサージをお願いした。タイで何度も古式マッサージを受けていたという話もすると、この店のナンバーワンの技術を持った女性を付けてくれると言ってくれた。

臙脂《えんじ》色の服を着た女性は30代の短髪で物静かな女性だったが、古式マッサージ特有の技を次々と繰り出してくれて「ああ。これだ」と私は久しぶりに味わう心地良さに酔いしれた。

足から始まり、身体をねじられ、腕を引っ張られ、セン(日本で言うところのツボ)を押さえつけられ、なすがままにされていると身体がほぐれて暖かくなり、次第に眠くなって意識が消えそうになる。

この感覚が好きだったのだと思い出した。

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