『スター・オブ・ラヴ』というバーがあった。バンコク・パッポンの中程に位置するあまり目立たない特殊なバーである。
このバーはゴーゴーバーではないので、半裸で踊り狂う女性はいない。待機する女性も五人前後である
。細長いカウンターと、擦り切れたような古いソファがあるだけで、耳をつんざくような音楽もない。しかも店は狭く、場末の雰囲気がぷんぷんと漂っている。
他のバーが派手で猥雑で混乱したエネルギーに満ちていることを考えると、このバーの陰気で陰湿な雰囲気はどこか異質であることは誰もが感じるはずだ。
確かにこのバーは異質だ。普通のバーではない。
この店はずいぶん昔からあったはずだ。あまりにも地味で目立たないので、最初はこんな店があることすら知らなかった。パッポンは数十回も数百回も通っているのに記憶に残ったことすらない。
この店には何の印象も残らず、『スター・オブ・ラヴ』という店名さえ記憶から飛んでいた。
ところが、この店には熱狂的な常連がいる。このバーは特殊なサービスを行っており、そんなサービスに釣られて常連がやって来るのだ。
この店のサービスとは……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア タイ編』にて、全文をお読み下さい)
久しぶりに読みました。
いつものことですが、切ないですね。