コロナ禍が収束しつつある中で、気がかりな病気もまた広がり始めている。「サル痘」である。ヨーロッパではすでに100名以上もの患者が出ている。
サル痘は帯状疱疹だというデマが日本で流れているのだが、実際には帯状疱疹とはまったく違うウイルスで、天然痘に近い別のウイルスである。
サル痘=オルソポックスウイルス
帯状疱疹=ヘルペスウイルス
天然痘は人類が40年前に撲滅させた非常にリスクある伝染病なのだが、再び天然痘に似たウイルスが人類の間で広がっていることに危機を感じる。
「サル痘」は天然痘よりも致死率は3%〜6%と低く、感染率もそれほど高くないというのが不幸中の幸いでもあるが、感染したら水疱まみれになるその容体は非常にショックなものがある。
それにしても、感染率が低いのになぜヨーロッパ中で広がっているのか。AFP通信などによると、『サル痘はこれまで性感染症として認知されていなかったものの、英国と欧州の感染者には同性愛者や両性愛者の男性が「顕著な割合」で含まれていた』とされていて、どうやら同性愛者のコミュニティーの中で広がった可能性が指摘されている。
サル痘は性病ではない。感染者の飛沫・外傷・接触で広がるのだが、たまたま同性愛者のコミュニティーで最初に広がったということなのだろう。
自然に収束するものなのか、それとも淋病や梅毒のように社会の裏側で静かに広がっていくのか、あるいは新型コロナウイルスのようにパンデミックになるのか、しばらく様子を見る必要があるのだろう。