フィリピン編
あなたは覚えているだろうか。1980年代から2000年代半ばまで、日本の夜の世界にはフィリピン女性で溢れていたことを……。
日本に就業目的でやってくる外国人の60%はフィリピン人だった。外国人「女性」に限れば、なんと日本で働く外国人女性の80%は、フィリピンから来た女性だったのだ。
日本のバブル時代から彼女たちは日本に来ていた。そして、日本の夜に定着していった。そして、バブルが崩壊したあとも、彼女たちは日本にずっといた。
「じゃぱゆきさん」という言葉もあった。日本の夜の世界で働く外国人女性、たとえばタイ女性も韓国人女性も、みんな「じゃぱゆきさん」の中に入っていたはずだ。
しかし、1990年代は、いつしかそれはフィリピン女性を代表する言葉になっていった。なぜなのか。それは、数で彼女たちが他を圧倒していたからである。