ノロドム・シアヌーク前国王が89歳で死去した。2012年10月15日午後2時44分のことだった。
1941年、18歳で国王になってからカンボジア独立のために奮進、それ以降はノロドム・シアヌークその人がカンボジアの歴史になっていた。
カンボジアの独立はこの国王が成し遂げた。迫り来るベトナム戦争はこの国王が回避していた。
しかし、1970年にはアメリカのロン・ノル政権によって政権の座を追放され、国そのものがアメリカの傀儡政権に乗っ取られた。
それ以降、カンボジアは混迷し、アジア史上でも最悪の大虐殺(ジェノサイド)に向けてひた走っていくことになる。
シアヌーク自身もまた歴史に翻弄され、ポル・ポト政権に4年間も幽閉された。しかし尚、シアヌークは生き抜いた。