インドにおける非常に厳しい差別の実態は、ブラックアジア第三部のインド編でしばしば言及した。(ブラックアジア「第三部」)
この中で、ダリット(不可触民)と呼ばれる人たちが、私たちの目から見ると、信じられない差別の中に放り込まれていて、苦難の人生を歩んでいることも書いた。
たとえば、掃除や死体処理やトイレのくみ取りの仕事を強制され、それしかできない人たちがいる。(人間の排泄物を両手で集めることを強いられた人たちがいる)
これは昔々の話ではなく、2013年に入った今でも現状は変わらない。インドでは生まれながらにして、「トイレ掃除しかやってはいけない」というカースト(身分)があるのである。
インドの社会全体が、誰もやりたがらない仕事を下位カーストに押し付け、そしてそれを固定化させたのだ。