2011年4月。タイで携帯電話を買うために、そういったショップが集まっているある電脳ビルに行った。
そこで私の対応をしてくれた女性が「あなたは日本人なの?」と英語で尋ねてきた。
「そうだ」と答えると、彼女は非常に喜んで、自分の携帯電話からいくつもの写真を見せてくれた。それは、彼女が日本に旅行したときの写真の数々だった。
「日本は物価が高いのに、よく旅行できたね」と尋ねると、彼女は何度も頷いてこう答えた。
「日本に行きたいと思って、実際に日本に行けるまで5年間、お金を貯めなければならなかった。でも、夫と二人で日本へ旅行に行くのが私の夢だった。去年、やっと夢がかなったのよ」
彼女は「日本は素晴らしかった。日本人はみんな優しかった」と心から喜んでいる。
私は他人事ながらも安堵して、彼女と一緒に喜んだ。日本を気に入ってくれて、本当に良かったと思ったものだった。