◆「君の手をぎゅっと握りしめていたい」と死ねる環境を日本に

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日本では安楽死が認められていない。医師は「最後まで人を助ける」ための組織であり、人を殺す組織ではないからだ。どんな絶望的な人でも助けなければならないのである。

しかし、様々な病気の末期患者で、あとは死を待つばかりの人たちの中には「私は、威厳を持って死んでいきたい。植物人間のようになって生きたくない。安楽死させて下さい」と言う人もいる。

しかし、そんな人たちの願いは、日本では聞き入れてもらうことができない。

今後、日本は高齢者で溢れる世の中になるが、必ず問題になるのは、高齢者の「終末期医療」である。認知症の高齢者になると、もう自分で食事を取ることもできなくなる。

そのために胃瘻(いろう)という処置を施す。これは、腹壁を切開して、胃内に管を通して水分や栄養を直接送り込む方法である。日本は、世界最大の胃瘻(いろう)大国であることは、あまり知られていない。

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