ムエタイはタイを代表する格闘技であり、タイ人のキックボクサーの強さは尋常ではないとも言われている。
それは、タイ人の格闘家が子供の頃からの「英才教育」であり、貧しさも相まってハングリー精神の塊でもあるからだ。
ムエタイは現地で、何度も見たことがある。観光地では必ずムエタイ・ショーがあるし、中にはレストランの中にリングが入っていることもある。
田舎でもムエタイの会場があって、音楽と怒号と札束が舞っている。ムエタイを見学していると、必ず賭けが始まる。
試合自体は選手が派手なKOで倒されたりするような劇的な場面は意外に少なく、首相撲で揉み合っている時間も長い。
しかし、貧しい人たちがなけなしのカネを賭けて応援しているので、一挙一動でヒートアップし、その応援は行儀の良いものではない。試合よりも、観客席の方が殺気立っていると言ってもいいほどだ。