小説『グッドナイト・アイリーン』を電子書籍にします

小説『グッドナイト・アイリーン』を電子書籍にします

Amazonの電子書籍Kindleで『グッドナイト・アイリーン 町田「ちょんの間」の闇にいたタイ女性』という題名の小説を出します。中編で、それほど時間をかけなくても読める分量の小説です。

ブラックアジアの「売春地帯をさまよい歩いた日々」も含めて読んで下さっている方は、すんなりと物語の中に入れると思います。

物語はフィクションですが、そうだとはしても完全にフィクションではなく、ほぼ八割以上は実際にあった体験を元にしています。だから、小説に抵抗がある方も、「ほぼ実話」と思って読んで頂ければ、読みやすいかもしれません。

これはブラックアジア第二部に載せるかどうか考えて、結局、載せませんでした。それには、理由があります。

火災が起きたのが10年前、2004年2月3日です

ブラックアジアに載せなかった唯一の理由は、舞台が日本だったからです。ブラックアジアは国外の売春地帯を扱っていますので、国内の話は違和感があるのではないかと懸念しました。

そして、出てくる女性すべてにモデルがいます。国内の売春地帯はアクセスがしやすいので、実際にモデルになった女性たちは推測しやすく、特定しやすい状況にありました。

出てくる女性のすべてはチューレン(タイ式ニックネーム)だとは言え、そのまま書いていますので、なおさらです。

しかし、10年経った今、もう当時の女性を知っている人たちもいなくなったと思いますので、仮名だったものを実際のチューレンに戻し、これを出したいと思います。

ちなみに舞台となっている町田の小さな売春地帯というのは、日本人の間では通称「田んぼ」と呼ばれていた「ちょんの間」の置屋群があった場所を指しています。

この場所は現在、きれいに消失して跡形もありませんが、それは本文に書いている通り、実際に火災に遭ったからです。火災は新しくできた建物で広がって、アイリーンがいた古い側では残ったのですが、現在はすべて取り壊されました。

火災が起きたのがちょうど10年前、2004年2月3日です。だから、本当に10年前の話になるわけです。もしかしたら、ブラックアジアの読者でも、この現場を知っている人はいるかもしれません。

ブラックアジアの番外編として読んで頂ければ

ちなみに、題名にした「グッドナイト・アイリーン」というのは、実際にある唄の題名です。この唄はアメリカの民謡のような存在になっており、カントリーでもしばしば歌われるとても有名な唄です。

このような感じのメロディです。YouTubeでも検索すれば聞けると思います。

アイリーンというのはこの小説の主人公の女性の名前ですが、彼女は本当に「アイリーン」というニックネームで町田という東京の郊外都市の小さな売春地帯で売春ビジネスをしていました。

彼女がこの唄を知っていたのかどうかは、分かりません。

彼女を失った後、私はたまにこの唄を聞くようになりました。そして、この歌を聴くたびに、彼女のことを思い出す。そして、彼女が日本語で囁く声を今も思い出すのです。

私の原点は言うまでもなく、売春地帯の女性たちです。舞台は日本ではありますが、ブラックアジア「売春地帯をさまよい歩いた日々」の番外編として読んで頂ければ、嬉しく思います。

舞台となった町田のラブホテル街

かつての町田の小さな売春地帯があった場所。10年前、右はラブホテル、左は置屋だったが、もはやその面影はまったく消えてしまっている。
登場人物の一人がいつも立っていた場所。10年前はもっと荒んだ感じだったのだが、すっかり雰囲気が変わってしまった。
左の建物は、かつて置屋だったが、取り壊されて新しいビルが建っていた。アイリーンがいたのは、砂利状になった小道の奥の小さな建物だったが……。もう何も残っていない。
橋の角に「売春は違法行為です」という立て看板がある。今でもここで売春している女性がいるのだろう。

ブラックアジア的小説『グッドナイト・アイリーン』

『グッドナイト・アイリーン 町田「ちょんの間」の闇にいたタイ女性(鈴木 傾城)』

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