バングラデシュで驚くのは、衛生観念がまったくないことである。しかも、信じているものが私から見ると驚くほどめちゃくちゃなものだ。
たとえば、インドと同様にバングラデシュでも牛は神聖な動物である。
だから、牛が神聖なら、牛の尿や糞も神聖であるという理屈になって、怪我をしたら牛の糞を灰にした物質を傷に塗り込めばいいとか、牛の尿を飲めばいいという民間療法がある。
実際にこれで怪我や病気が治癒すると断言されているが、どう考えてもプラセボ効果のように思うが、それを信じている以上は廃れることはない。
実は、牛の尿を飲めば病気が治るというのはカンボジアでも信じられていて、一部の人がそれを実践している。カンボジアではこの手の民間療法が意外に今でも力を持っている。
あなたは自分の尿を飲むことができるだろうか。カンボジアにいるとき、朝になってある知り合いの女性が自分の尿を飲むと言い出して、驚いて止めたことがある。