中国の大気汚染はもう十年以上も前から繰り返し指摘されていたが、それを放置し続けてきた結果、ここ数年で一線を越えた事態が続いている。
そして、2014年。中国の政府系研究機関が、深刻な大気汚染から脱することができない北京を指してこう言ったという。
「すでに人類の居住に適さないほどのレベルに達している」
人間は、もう北京に住めないという、そういうレベルになったと言っているのだ。
どこの国でも工業化が取り入れられて国が発展していく過程の中で、公害は必ず発生する。日本も高度成長期の中で多くの公害を経験し、克服してきた。
公害の克服に必要なのは、規制の強化と、遵守と、環境保全の意識である。
ところが中国では、「国に政策あれば、民に対策あり」の国である。国がいくら公害を発生させないように規制を強化しても、民間は役人にワイロを渡して規制を骨抜きにする。