同性愛者のシンボルは、レインボー・フラッグだ。このレインボーがなぜゲイのシンボルになったのかを関心を持って調べていたとき、ひとりの女優の名前が浮かび上がった。
ジュディー・ガーランド。
今はもう彼女を知る人は少ないかもしれない。しかし、「あの映画」の名前を出せば、誰もが彼女の歌声と共にひとりの少女を思い出すはずだ。この映画のこの歌は、今でも語り継がれ、歌い継がれている。
あの映画というのは、『オズの魔法使い』である。多くの隠喩と皮肉に彩られたこの映画は、1939年に制作されたものだが、1939年と言えば、まさに第二次世界大戦が勃発したその年だ。
ヨーロッパでナチス・ドイツがチェコスロバキアを解体し、ポーランドに侵攻し、ワルシャワを陥落させるという激しい歴史事件が立て続けに起きていたその時期、彼女は若くしてハリウッドの大スターとなっていった。
なぜ、ジュディー・ガーランドがゲイのレインボー・フラッグと関係があるのか。それも、映画『オズの魔法使い』に関係している。