世の中が混乱し、人々が政府に頼れなくなっていくと、多くの国で政府以外に頼るものがある。それは、「神」だ。
これは冗談でも何でもない。乱世になると、本当に人々は神頼みになっていく。
エジプトやパレスチナで貧困が拡大していく中で、支持を集めたのは政治ではなく宗教だ。政治が自分たちを救ってくれないのであれば、神にすがる。
イランでもアフガンでも貧困が極まれば極まるほど、宗教に対する帰依心は強烈なものになっていく。
長く生きていれば分かってくるが、政府も助けにならず、どんどん世の中が悪くなっていき、もう自分の力ではどうしようもないという状況は必ず来る。
人間の人生は60年以上もあり、下手すれば80年も生きなければならないのだ。80年もの間、世の中が無風であるというのはあり得ない。
私たちは、一生のうちに一度は、社会の大混乱に巻き込まれていくのは、ほぼ確定しているのである。