スウェーデン人のリーフ・クリステルは、2009年に離婚して妻と子供2人を失った。父も母も他界していてもういない。天涯孤独になった。
母国で細々とシェフをして生計を立てていた彼の楽しみは、たまに熱帯の桃源郷タイでハメを外すことだった。
2013年11月。彼はバンコクの歓楽街であるナナの、とあるバーの女性と知り合い、意気投合した。そして、彼はある日「もう、すべてを捨ててタイで暮らそう」と考えた。
彼はもう二度と故郷スウェーデンに戻らない決心をして、所有物をすべて処分した。
彼の手元に残ったのは約300万円(100万バーツ)だった。それほど大金ではないが、タイで心機一転やり直すのに足りない金でもない。
タイの歓楽街ナナ地区で出会った熱く優しいタイ人のガールフレンドと一緒に暮らし、タイで何かの仕事を見付け、これからはタイで新しい人生を送る。そのための全財産がこの300万円だった。